この醜い男が私をつくった。
男が想像という大きな塊を床に置き、彫刻刀で少しづつ私を削りだした。
最後には、ざらざらした舌で私を舐めて、しっとりとした肌をうみだした。
男は私のことを世界一良い女だと言った。
自分でつくったのだからあたりまえでしょ、と私は言ったのだけど、そうではない、失敗作の女は今までたくさんいたんだ、と言った。
男は私を外に連れ出し、私にたくさんの服を買ってくれた。
私は服というものが大好きだということを知った。
服は私を美しく見せる。
服を着ると私は完成する。
男が、やはり良い女は高い服が似合うと言った。
良い女が高い服を着ると、脱がせることを考えて気が狂いそうになると言った。
あなたが私をつくったのだから、いつでも脱がせられるでしょ、と言うと、服を着るともう俺の女ではないと言った。
男は最後にこう言った。
俺はおまえの服を脱がせる男を深く嫉妬する、そしてその嫉妬こそが俺が生きていく理由だ。
2013年10月31日木曜日
雨を思いついた人
雨を思いついた人ってすごいなと思う
世界を作る会議
満場一致で「この世界には生命を作ろう」と決定する
会議は進み 生命には水と空気と光が必要ということになる
光について 誰かが太陽を思いつく 昼と夜を思いつく
僕だって太陽くらいは思いつけそうだ
昼と夜は思いつけるかな どうだろう
ちょっとした発想の転換が必要かも
空気について 誰かが風を思いつく
風なんて子供にも思いつけそうだ
水について 誰かが海を思いつく
僕にも海は思いつけそうだ
そして誰かが雨を思いつく
「ねえ、空から時々、小さい粒の水が落ちてくるってどうだろう。すごく不思議で美しい風景じゃないかな。寒い日にはその水が白いフワフワした氷になったりもする。すると僕らが作った世界が真っ白になっちゃうんだ。すごく綺麗だと思うよ」
雨を思いついた人ってすごいな
とてつもない想像力と 絵心を持ってる人だ
僕には雨なんてちょっと思いつけないな
※
そして誰かがこんな提案をする
「生命は男と女がいることにしたら物語が増えて、世界が楽しいことになるんじゃないかな」
そして恋愛が作られる
文学好きの誰かがこんな提案をする
「全部の恋愛がうまくいくと、世界はつまんないよね。失恋ってのも作った方がもっともっと世界が面白くなるんじゃないかな」
その人のせいで 世界にたくさんの片思いやお別れが生まれる
全部 失恋を思いついたあいつのせいだ
世界を作る会議
満場一致で「この世界には生命を作ろう」と決定する
会議は進み 生命には水と空気と光が必要ということになる
光について 誰かが太陽を思いつく 昼と夜を思いつく
僕だって太陽くらいは思いつけそうだ
昼と夜は思いつけるかな どうだろう
ちょっとした発想の転換が必要かも
空気について 誰かが風を思いつく
風なんて子供にも思いつけそうだ
水について 誰かが海を思いつく
僕にも海は思いつけそうだ
そして誰かが雨を思いつく
「ねえ、空から時々、小さい粒の水が落ちてくるってどうだろう。すごく不思議で美しい風景じゃないかな。寒い日にはその水が白いフワフワした氷になったりもする。すると僕らが作った世界が真っ白になっちゃうんだ。すごく綺麗だと思うよ」
雨を思いついた人ってすごいな
とてつもない想像力と 絵心を持ってる人だ
僕には雨なんてちょっと思いつけないな
※
そして誰かがこんな提案をする
「生命は男と女がいることにしたら物語が増えて、世界が楽しいことになるんじゃないかな」
そして恋愛が作られる
文学好きの誰かがこんな提案をする
「全部の恋愛がうまくいくと、世界はつまんないよね。失恋ってのも作った方がもっともっと世界が面白くなるんじゃないかな」
その人のせいで 世界にたくさんの片思いやお別れが生まれる
全部 失恋を思いついたあいつのせいだ
友よ
友よ
さっき初めて歩くのをやめたら、すごく遠いところまで来てたのに気がついたんだ
今、グーグルで調べてみたんだけど
君がいるところからここまで
地球と月の間を200回往復したのと同じ距離らしい
もちろん時間もその間にはたっぷりと横たわっているから
こんな短い距離じゃたりないかもしれない
でも友よ
ぼくも、たまにはそっちのことを懐かしく思うんだ
今はまだ、ここで戦い続けるよ
やらなきゃいけないことが多すぎて
最近は笑い方も教えてるんだ
信じられるかな
友よ
また君がうんざりするような長いメールを書いてる
スクロールって誰が発明したんだろうね
最近思いついた冗談もたっぷり書く
君が笑わないのは知ってるけどね
そして友よ
たまにはこっちに来てみたらどうかな
また一緒に戦おうよ
最近は誰が敵なのかぼくが敵なのかわからなくなってきたけど
電池が切れそうだ
21世紀のぼくは電池で制限されてるんだ
22世紀の彼女が羨ましいよ
じゃあ
さっき初めて歩くのをやめたら、すごく遠いところまで来てたのに気がついたんだ
今、グーグルで調べてみたんだけど
君がいるところからここまで
地球と月の間を200回往復したのと同じ距離らしい
もちろん時間もその間にはたっぷりと横たわっているから
こんな短い距離じゃたりないかもしれない
でも友よ
ぼくも、たまにはそっちのことを懐かしく思うんだ
今はまだ、ここで戦い続けるよ
やらなきゃいけないことが多すぎて
最近は笑い方も教えてるんだ
信じられるかな
友よ
また君がうんざりするような長いメールを書いてる
スクロールって誰が発明したんだろうね
最近思いついた冗談もたっぷり書く
君が笑わないのは知ってるけどね
そして友よ
たまにはこっちに来てみたらどうかな
また一緒に戦おうよ
最近は誰が敵なのかぼくが敵なのかわからなくなってきたけど
電池が切れそうだ
21世紀のぼくは電池で制限されてるんだ
22世紀の彼女が羨ましいよ
じゃあ
2013年5月5日日曜日
僕の三つの良いところ
20年前の当時、みんなのアイドルだった彼女が僕のような何でもない男の求愛を受け、そして結婚してくれた。
そのことについて、当時の彼女の友人たちはすごく不思議に思ったみたいで、みんなが彼女に「どうしてあの人を選んだの?」と質問したらしい。
彼女が死ぬ前日にその当時のことを楽しそうに話してくれた。
「どうしてだったの?」と僕が聞くと、彼女は病院のベッドの中でこう答えた。
「あなたには三つの素敵なところがあったの。どこでも寝られること、誰かの悪口を言わなかったこと、そして世界で一番誰よりも私のことを好きだったこと」
「最後のはどうしてわかったの?」
「あなたの顔に書いてあったわ」
「今でも書いてある?」
「書いてあるわ。あ、泣かないで。消えてしまうから」
夢の旅
あの頃は真夜中になると、色んな人達の夢の中を渡り歩いた。
毎晩ケーキ工場に忍び込んで苺を盗んで逃げる銀行員の夢。
まるで風船に針を刺すように「パン!パン!」とみんなの心臓を破裂させながら散歩をしている売れっ子モデルの夢。
誰も座っていない椅子に向かってずっと謝っているトロンボーン吹きの夢。
そして僕はある夜、年老いた犬の夢の中で美しい女性に出会った。
彼女は誰もいない公園でブランコをこぎながら小さい声で歌っていた。
それは僕の知らない曲だったのだけど、とても懐かしい気持ちになった。
僕は彼女に「君も夢の旅をしているの?」と聞いてみた。
すると彼女が「私はこの犬の夢の中に住んでいるの。でも、もうこの犬は死にそうだからその後私はどうなるのか心配で」と答えた。
それで僕は彼女を夢の旅に誘った。
僕は彼女の手を取り犬の夢から抜け出し、太平洋に浮かぶ大きな鯨の夢の中に飛び込んだ。
ずっと後ろの方で年老いた犬が悲しい声でないた。
ある紳士との出会い
親戚のおじさんに頼まれて、画廊の店番をしていると、立派な身なりをした紳士が入ってきた。
そしてその紳士が僕に向かって「いらっしゃいませ」と言った。
僕は突然のことにちょっと面食らっていると、紳士が「あなたは太いですな」と言った。
僕が「そんなことないです。失礼な」と答えると、
紳士が「いえいえ、そんな体では日々、動き回るのも困っているはずです。どうでしょう。私に任せなさい」と言った。
すると僕は海の中に飛び込んだ。
僕は太ってたおかげで沈むことなくプカプカと太平洋に浮かび、潮に流されて沖に出た。
遠くの方で紳士が「いらっしゃいませ」とお客様に笑顔で接客しているのが見えてほっとした。
2013年2月10日日曜日
ドラえもんのタイムマシン
ドラえもんが僕の机の引き出しから突然出てきてこう言った。
「このタイムマシンを貸してあげるよ。過去に行って君が歴史を変えてくればいいんだ」
僕が驚いているとドラえもんが勝手に5年前に設定して僕は突然ぽんと2008年の東京に落とされた。
僕が困っていると「何をしてるんだ。君は地震が来るのを知ってるんだろ。今からいろんなことをみんなに呼びかけなきゃ」とドラえもんが言った。
僕はドラえもんにこう言った。
「ねえドラえもん。他の道具を貸してくれないかな。僕ひとりじゃ、どうにも出来ないよ」
するとドラえもんが「そうか。ダメだなあ。じゃあ次はもっと昔に行こう」と言ってまた勝手に100年前に設定して僕は1913年の東京にぽとんと落とされた。
僕が途方にくれているとまたドラえもんが「ほら。君が日本を止めないと」と言った。
僕は「僕だけの力では無理だよ」と言った。
するとドラえもんは2013年に僕をぽとんと落としてこう言った。
「じゃあ君は2013年に何をするんだい?」
僕はため息をついた。
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