2013年5月5日日曜日

僕の三つの良いところ


20年前の当時、みんなのアイドルだった彼女が僕のような何でもない男の求愛を受け、そして結婚してくれた。

そのことについて、当時の彼女の友人たちはすごく不思議に思ったみたいで、みんなが彼女に「どうしてあの人を選んだの?」と質問したらしい。

彼女が死ぬ前日にその当時のことを楽しそうに話してくれた。

「どうしてだったの?」と僕が聞くと、彼女は病院のベッドの中でこう答えた。

「あなたには三つの素敵なところがあったの。どこでも寝られること、誰かの悪口を言わなかったこと、そして世界で一番誰よりも私のことを好きだったこと」

「最後のはどうしてわかったの?」

「あなたの顔に書いてあったわ」

「今でも書いてある?」

「書いてあるわ。あ、泣かないで。消えてしまうから」

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