白くて可愛いシッポが生えてくる初夢を見た。
それで神様に電話をして夢の内容を詳しく説明した。
すると神様が「おお、白いシッポの夢か。久しぶりに耳にしたなあ。羨ましいなあ。なーに、今すぐお迎えが来るから待ってなさい」と電話口で明るく語った。
受話器を置くと僕の家の扉の外で誰かが喋っているのが聞こえた。
「ママ、やっぱり僕がノックしなきゃダメなの?」
「そうよ。ママやパパが突然ドアの外でいると大きくてびっくりするでしょ」
そして「トントン」と可愛いノックの音がした。
ドアを開けるとそこにはシロクマの親子がいた。
僕が驚いているとシロクマの男の子が僕の手をとって「山に行こう」と言った。
山での生活は楽しかった。
僕らは鮭をとったり、木の実を集めたりして冬に備えた。
男の子がある日、川縁で「僕、ホントは絵描きになりたいんだ。シロクマのくせにそんな夢っておかしい?」と言った。
僕は「そんなことないとおもうよ。絵描きのシロクマって素敵だと思う。ママやパパも喜んでくれると思うよ」と言った。
その時、銃声が響きわたった。
隣のシロクマの男の子の頭からは血が流れ、まるでヌイグルミのようにぱたりとそこに倒れ込んだ。
そして猟師がこちらに向かって歩いてきた。
僕は猟師に襲いかかりズタズタにしてやった。
僕はもう山を降りない。
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