初めて彼女とベッドに潜り込んだ夜。
いろんなことが終わり。
彼女が突然カーテンを開けて夜空に浮かぶ月を眺めながらこんなことを僕に質問した。
「ねえ、『明日は遠足』というのと『明日から夏休み』というのとどっちが好き?」
僕は彼女の髪の毛を触りながらしばらく考えてみた。
「明日が遠足」のあのドキドキした気持ち。
「明日から夏休み」のあの解放された感じ。
夏休みは小さい僕にとって永遠のように長く感じるけど、いつか宿題を片づけてあの教室に戻らなければならない。
遠足。
しおり。
おやつ。
バス。
隣に座る女の子。
僕は「『明日が遠足』の勝ちだね」と彼女に答えた。
すると彼女が微笑んで「では二つ目の質問です。『明日が世界の終わり』と『明日から世界が始まる』とではどっちが好き?」
僕は彼女の華奢な肩を抱き寄せながら考えた。
「明日が終わり」で彼女とベッドに潜り込んでいる時間。
でも「明日から世界が始まる」って僕らはどこにいるんだ?
僕は暗闇の中でまだ何も始まってなく彼女も僕も、このベッドも月もない世界を想像する。
僕は「『明日で世界が終わる』の方が僕は好きかな」と答える。
彼女は僕に飛びついてきて「そう言ってくれると思った」と言って僕の首のあたりを「くんくん」と嗅いだ。
どうやら彼女の質問に合格だったみたいだ。
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