2012年8月27日月曜日

理想的なセックス

理想的なセックスについて考えてみる。

海岸で少年と少女が大きい砂山を作っている。

二人はまだ幼いので身長はそんなに高くない。

だから砂山はあっと言う間に二人の背の高さくらいまでになる。

二人は出来上がった砂山を見つめて満足するが「何かが足りない」と思う。

砂山に必要なものは登山道だろうか とか、敵が攻めてきたときのための砂山をぐるっと囲むお堀だろうかとか、色々と思いをめぐらせる。

そして二人は同時に気がつく。

この砂山にはあちらとこちらを繋ぐトンネルが必要なんだと。

二人は反対側からお互いに、小さな手を使ってトンネルを掘っていくことにする。

しかし砂山は二人には大きいため、 思ったより簡単にトンネルは貫通しない。

もう随分二人のトンネルは進んでいるはずなのにまだ二人の手は届かない。

二人はすれ違ったんだろうかと不安になる。

二人で穴から手を出し、砂山を上から見て、お互いの進んだあたりを想像する。

たぶん僕らは間違ってないと確信し、また掘り進める。

そしてある時、二人は砂山の中のずっとずっと奥の方で少しだけ指の先の方が触れる。

さっきまではジャリジャリした砂の手触りしかなかったのに、生きて動いている人間の一部に触れてドキっとする。

そして二人は大急ぎで二人の間をさえぎる砂を外にかきだす。

そしてそっと手を握る。

これが僕の理想的なセックスだ。

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