相棒が「天国の地図を作ったら儲かるぜ」と言ってきた。
僕が「儲かるんなら君がやれよ」と言うと
「俺は無理だ。5人も人を殺しているし、強盗や詐欺だって数え切れないくらいやってる。まさか俺が天国に行けるとは思えない」と相棒は答えた。
「ということは、僕が一度天国に行って、天国を全部見てそれを地図にすればいいってわけだ」
「そういうことだ」
「でも地図はどうやって持って帰ってくればいいのかな。まさか天国からメールに添付して送信するってわけにはいかないだろ」
「もちろんだ。実はこの間ある天使の弱みを握ったんだ。それでその天使にこの天国の地図の計画を話したら、その天使はオマエを天国から下界に戻ってこれるように手配してくれるって契約になった。なんにも心配はいらない」
そんなわけで、僕はその場で相棒に撃ち殺されて、天国に行くことになった。
天国はお花畑と美女と虹がたくさんあるだけで地図は簡単に出来てしまった。
それで僕は天使を呼んで「そろそろ下界へ帰ろうと思うんだけど」と伝えた。
すると天使がこう言った。「言い忘れてたんだがそのままの姿では下界には戻れない。また赤ん坊からやってもらわなきゃならないんだ」
「赤ん坊だって? じゃあこの天国の地図はどうすれば良いんだ? まさか地図を抱いて産まれるってワケにはいかないだろ」と天使にせめよった。
「大丈夫。君は20歳になったら突然前世を思い出して、天国のことを話し出すから」
そして僕は相棒の赤ん坊になった。
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