黒くて長い髪の女の子がブランコに乗って揺れている。
彼女が揺れるとその長い髪が風に揺れて、世界が震えるのがわかる。
そして僕は彼女に恋をしてしまった。
僕は彼女がブランコを降りて来るのを待っている。
まるで女神が地上に降りてくるのを待っているような気持ちだ。
でも彼女は降りてこない。
ずっとブランコに乗ったまま前へ後ろへと揺れている。
彼女が揺れるたびに新しい風が生まれる。
そしてその風が世界を優しくなでる。
僕は彼女に「まだ降りてこないの?」と聞いてみる。
彼女はこう答える。
「うん。まだしばらく降りれなさそう。だって私、この世界の時計の振り子なの」
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